前世と今生2

こんにちは タイムです

 

「A」の嫌がらせ  それはもう古い話なのでほとんど覚えていません

 

只、小学生の様な幼稚ないじめに近いものでパワハラとも言えるものでした

 

例えば、「A」と「Iさん」は部署が違うにも拘らず

 

全体会議の様な場所で、新人の「Iさん」に対して

 

仕事が出来ない~と、如何にも自分は会社の事を心配している風を

 

装い深刻そうに糾弾したり、

 

今までしたこともない若手の飲み会を「A」自身で企画して

 

「Iさん」だけリストから外して誘わなかったり

 

下らないと言えば下らないのですが、本人にはダメージが来る様な事を

 

数々行っていました

 

人から聞いた話では、「A」のなかでは私は所有物扱いなので

 

近づく人間に対しては、報復は当然と思っているようでした

 

「A」の家は、裕福でわがままに育ち、会社も親のコネで入社したと

 

聞きました  その為か自分の望みは全て叶うものだと勘違いしている

 

様に見えました

 

私と「Iさん」は、「A」を刺激しないように、また、

 

職場という事もあって、社内ではほとんど会話をしないように気をつけていました

 

私達が付き合っていることも、信頼できる数人しか知りません

 

「A」は疑ってはいても、確信は持っていなかったと思います

 

そのせいなのか、私への接近は多くなってきました

 

接近というか私からみたらそれは、所有物扱いとセクハラでしかありませんでした

 

まだ若く無力だった私は、黙って我慢するしかなかったのです

 

そして、私の「A」に対する怒りと憎しみはどんどん深くなっていきました

 

一度だけ私は「A」から告白されたことがあります

 

あの天よりもプライドの高い「A」が、跪くて私に告白したのです

 

勿論、嬉しくもなく只、迷惑なだけです

 

私は「A」の逆上と報復を恐れて丁重に、でも勘違いされない様に

 

キッパリとお断りしました

 

でも結局、逆恨みされてその後、酷いパワハラを受けましたが

 

そして、私の「A」に対する憎しみは膨れあがっていったのです

 

それから数年後、私と「Iさん」は結婚する事になりました

 

その時、数人の人から

 

「あなた達は、「A」に勝った  「A」も相当苦しんでいたのだから

 

許してあげなさい」 と、言われたのです

 

私は「A」を許す事はできませんでした

 

「なぜ「A」は謝ってもいないのに許さなければいけないの?」

 

「私にした事は、土下座しても許さない!」

 

「私は「A」を一生許さない!」

 

私は「A」に対する今までの積もりに積もった怒りと憎しみで震え叫んだのです

 

そして、私は結婚して退職しました

 

最後に「A」に会ったのは、その後数年経ってからです

 

会社の会長が、亡くなり私も葬式の手伝いに呼ばれた時です

 

私は社員の奥様達と厨房の係をしていました

 

何かの用事で厨房を離れ、また厨房に戻る廊下で「A」にすれ違ったのです

 

一応私は「A」に「お久しぶりです」と挨拶をしました

 

その後、厨房に戻ると奥様達が「A」が厨房の中に入ってきたと

 

騒然となっていました

 

社長でさえ、遠慮して厨房には入らずに入口から挨拶していたのに「A」は

 

ずかずかと無遠慮に厨房の中まで入り、奥様達一人一人の前に立ち

 

タニタ笑いながら、穴の空くほど見てから出ていったそうです

 

「気を付けなさい」 私は奥様達に言われました

 

その時私は、「A」の私への執着心の噂が社内だけでなく

 

奥様達にまで拡がっていたことに気づいたのです

 

そして、葬儀は無事終了し私は葬儀式場で参列者の方々に

 

缶ジュースを配っていました

 

広い大きな式場に大勢の参列者の方々。 街の政財界の方々も沢山いらしていました

 

静かでサワサワと小声だけが聞こえる中。

 

急に大きな叫び声が聞こえたのです

 

誰かが私の名前を叫んでいました

 

「えっ、何で私の名前?」 ビックリして声の方を見ると

 

叫んでいるのは「A」でした

 

「(私の旧姓フルネーム)! あのバカな女! 仕事も出来ないくせに!

 

男の▪▪▪▪▪▪」

 

その声は静かな会場に響き渡りました

 

「男の▪▪▪」その続きは聞く事はできません

 

誰かが私に覆い被さり耳を塞いだからです

 

私が解放されたのは、全てが終わってからです

 

「何が有ったのですか?」

 

私は色々な人達に聞いて周りました

 

でも、誰も教えてくれなかったのです

 

只、その現場を社長が見ていて激怒していたという事は聞きました 

 

その後しばらくして、「A」が会社を辞めた事を「Iさん」から聞いたのです