天井のニタニタ男3

こんにちは タイムです

 

私は、「天井のニタニタ男」の事を思い出し、その時初めてその正体が

 

「A」だった事が分かりました

 

それまで私は「ニタニタ男」が、正体不明の魔物?妖怪?だとずっと

 

思っていて、まさか人間だったとは夢にも思わなかったのです

 

「A」と「ニタニタ男」を比較すると

 

確かに共通点が多い というよりも同一人物だった事にやっと気づいたのです

 

それは、私にとって衝撃でした

 

私は「A」に、憎まれていた! 

 

生き霊で執拗に攻撃してくるほど怨まれていた!

 

まさか私が、人から怨まれるなんて!

 

「A」は、そこまで私が憎かったのだ!

 

確かに私はあの頃、馴れ馴れしく所有物扱いしてくる

 

「A」を毛嫌いしていました

 

「A」が近寄って来ると千匹の毛虫が背中を這うよう

 

虫酸が走り、話しかけられると総毛立ち血が逆流する

 

感じが分かり、生理的受け付けなかったのです

 

「私に近づかないで! 見ないで! 意識しないで!」

 

私はただ、普通の社員同士の仕事上のドライな

 

関係でいたかったのです

 

いくら厳しく冷たい言葉で気持ちが無い事を

 

伝えても、「本当は俺が好きなんだろ」と

 

タニタ笑いながら近寄って来る「A」に

 

本気で腹が立ち、「いい加減にしろ!」と思っていました

 

「なんて無神経で、無遠慮な人なんだろ!」

 

「私がどんなに迷惑して、嫌っているのか

 

わからないの?」

 

「何で私が本当は「A」が好きだと

 

思えるのだろう?」

 

私は「A」が、これだけはっきり拒絶しているのに

 

それを理解できない事が不思議で仕方がなかったのです

 

あの頃の私は、まだ若く「A」の言葉を額面道りに

 

受け取る事しかできませんでした

 

「A」は、私に嫌われている事を知っていた

 

それに気付かないふりをしていた

 

プライドの高い「A」は、それを認める事が

 

できなかったのかもしれない

 

私は、やっと「A」の気持ちを理解しました

 

「A」は、何をやっても拒絶され、嫌われ、

 

自分を選ばず「Iさん」の方しか見ない私を憎んでいた

 

逆恨みには違いありませんが、その憎しみの気持ちが

 

自分を傷つけ、苦しんでいたのかもしれません

 

「 「A」も苦しんでいるのだから、許してあげなさい」

 

以前言われた言葉を私は思い出しました

 

その時は、怒りと憎しみの余りに拒絶しましたが

 

やっと私は「A」も苦しんでいたと言うことは理解したのです

 

そういえば「A」は、一度体調を崩し長期の休みを取った事があります

 

その後復帰してきた時、別人の様に変わっていました

 

いつものニタニタ笑いは消え、痩せてこの世の全てを呪い怒りに満ち、

 

恐ろしいほど殺気立っていて誰も近づく事はできなかったのです

 

私は「A」があんなに変わってしまったのは

 

「ニタニタ男」に真っ黒くろすけをぶつけたからではないか?

 

それが原因で別人の様になってしまった?と思いましたが

 

気付いた時には既に10数年が経っていて、もはや確める事はできませんでした

 

「A」は、確かに苦しんでいたのかもしれません

 

でも、私への憎しみも生き霊で執拗に攻撃するほど相当強かったのだと思います

 

私は自分がどれだけ危険と隣り合わせだったのか やっと気付き身震いしました

 

私は無防備で無自覚で「A」の危険性など考えた事もありましたでした

 

あの時「Iさん」が現れなかったら▪▪▪ 私はどうなっていたのだろう?

 

また「Iさん」に助けられた  「Iさん」はあの頃、私の心の支えだったのです

 

私は心の中で「Iさん」に深く感謝しました

 

その時、1人の侍の顔が心に浮かんだのです

 

その侍を私は知っていました

 

入社してすぐの頃、「A」に対し以前から知っている様な懐かしさを感じ

 

仲良くなりかけた事がありました

 

その時、侍は現れたのです