妊娠中絶の話

こんにちは タイムです

 

娘達が子供の頃の話を考えていたらもう1つ思い出した事があります

 

次女が小さい頃、時々おかしな事を言っていました

 

「流し台から流されて怖かった」と

 

初め何を言っているのかわかりませんでした

 

何回も言うので不思議に思っていたのですが、ある日もしかしてと思う事

 

を思い出したのです

 

実は私は、次女を妊娠する前一度中絶をしています

 

妊娠している事に気が付かず胎児に影響のある薬を飲んでいたのです

 

妊娠がわかりお医者様からその事を指摘され、中絶かそのまま産むのか

 

決断しなければいけなくなりました 

 

私はショックで帰りのタクシーの中で涙が溢れて止まりませんでした

 

結局、主人 義両親、実の両親とみんなに説得され中絶する事にしたのです

 

中絶の日、病院の人達はみんな優しかった

 

不注意で折角授かったお腹の赤ちゃんを中絶しなければ

 

いけなくなった自責の念、そんな辛い思いでいる私を

 

看護婦さん達は慰めてくれたのです

 

その後半年も経たずに私は次女を妊娠しました

 

そして次女が話せる様になり流し台の話をするように

 

なって、もしかして次女はあの中絶してしまった赤ちゃん

 

の生まれ変わりなのか?そう思えてきたのです

 

これは私の自責の念から来る願望で、確信のある話ではありません

 

でも、そう思う事で私の心は救われたのでした

 

その後、娘達が成人したある日、あの当時の事を思い出し

 

次女に聞いてみたのです

 

「もしあの時中絶した赤ちゃんが次女だったとしたら

 

次女はそのまま産まれた方が良かったの?」

 

「その場合は障害があった可能性があるけど、どう思う?」

 

次女は身震いしながら即答で

 

「もしそうなら中絶してくれて良かった

 

その後健康に産まれるならその方が良い!」

 

次女の答えを聞いて私の心の中の最後に残っていた

 

自責の念が消えたのです

 

そうだよね! 私も次女の立場ならそう思う!

 

私がお腹の赤ちゃんなら障害があるとわかった時点で中絶

 

してほしい!

 

もし、妊娠中その可能性がある事がわかったら赤ちゃんの為に

 

中絶の考えは排除しない その時から私と娘達の中で考えは決まりました

 

それからまた時は流れ、長女が妊娠した時の話です

 

長女は十代の頃病気で、その後もずっと薬を服用していました

 

結婚後、妊活の為思いきって薬の服用を止め、体調管理や不妊治療も頑張ったのですが

 

妊娠はできませんでした

 

赤ちゃんが欲しい!でも、無理かもしれない 自分は妊娠できない体なんだ

 

長女はそう言っていました

 

長女は赤ちゃんを諦め新しい目標を見つけ頑張る事にしたのです

 

そして、目標に集中している時奇跡の様に妊娠したのです

 

でも、思いもよらない妊娠で油断もしていました

 

妊娠に気づかないまま、体調の悪さから薬を飲み続けてしまったのです

 

折角授かった命。でも、薬を飲んでしまった

 

どうしよう? 長女夫婦は相当悩んだと思います

 

そして、大学病院で検査してもらう事にしたのです

 

その結果駄目なら諦める つわりで身も心も弱りきりながら

 

長女は決死の覚悟で大学病院へ向かったのです

 

その時私も付き添いで一緒に病院に行きました

 

そしてまずカウンセリングがあり、カウンセラーの方から質問があったのです

 

「もし、障害がある事がわかったらどうしますか?」

 

「中絶をしますか?」

 

「はい、その場合は中絶も考えています」と長女が言いました

 

すると、カウンセラーの方はひどくびっくりした様で

 

「なぜですか?」と言ったのです

 

「なぜですか?ってどうゆう意味?駄目なの?」何故カウンセラーの方が

 

びっくりしたのか判らず私はなんと答えて良いのかわかりませんでした

 

まるでどんな理由があっても中絶は許されない 親は全てを受け入れて

 

当然だと言ってる様に聞こえ私は想定外の状況に混乱してしまいました

 

その時今までつわりで弱ってぐったりしていた長女が

 

「健康に子供を産んであげるのは親の責任です」

 

気迫をみなぎらせ毅然として背筋を伸ばし言いはなったのです

 

カウンセラーの方は「わかりました」と答えてくれました

 

この人長女の言った意味わかったんだろうか? とは思いましたが

 

とりあえずカウンセリングは終了しました

 

その後検査で胎児には影響がない事がわかり、長女は念願の

 

お母さんになる事ができました

 

結局、胎児に何か問題がある可能性がわかった場合中絶する

 

しないは親が責任と覚悟を持って判断しなければいけません

 

産まれた以上は全力でその子を守らなければいけないからです

 

この問題は本当に難しいですよね

 

もしかしたら正解のない問題なのかもしれません