天井のニタニタ男2

こんにちは タイムです

 

私へのニタニタ男の攻撃は、何年も続きました

 

或る夜、また「そいつ」がやって来たのです

 

そして、ニタニタ笑いを浮かべながら真っ黒くろすけを

 

いつもの様に高々と持ち上げました

 

私はその時の真っ黒くろすけの大きさを見て、ビックリしました

 

「ええ! そんなに大きいの!」

 

「いつもの3倍はある!」

 

「そんな大きい物を投げるの?」

 

私は身動きできない状態でなす術もなく、ただ巨大な真っ黒くろすけを

 

恐怖で目を見開きながら、身構える事しかできなかったのです

 

いつもの大きさでさえ、痛くダメージが大きいのに

 

今まで見たこともない巨大な真っ黒くろすけを投げつけられたら

 

私はどうなってしまうのだろう?

 

でも、「そいつ」はニタニタ笑いながら何の躊躇もなく

 

巨大な真っ黒くろすけを私に向かっておもいっきり投げつけたのです

 

「来る!」 私は覚悟を決めて衝撃に備えました

 

でも、いつもなら私の胃に吸い込まれる様に命中するはずの

 

真っ黒くろすけは、私に当たる事はありませんでした

 

私は、透明な丸いドーム型のバリアーの様な物の中に入っていて

 

守られていたのです

 

物凄い勢いで飛んできた巨大な真っ黒くろすけは丸いドームの壁に

 

バチンという大きな音を立ててぶつかり、その衝撃でドームは

 

ビリビリと震えました

 

真っ黒くろすけはドームの中には入って来る事は出来ず、

 

丸いドームの壁沿いを飛んできたスピードでぺたんこに潰れ、

 

バチバチと音をたてながら滑り落ちていきました

 

そして、足元を見ると真っ黒くろすけはそこにいました

 

邪悪で巨大な悪意のエネルギーに満ちた真っ黒くろすけは

 

まだ、ぺたんこに潰れ電流が流れているようにバチバチと火花を出しながら

 

物凄い勢いで回転していました

 

それを見ているうちに、私の中に激しい怒りがこみ上げてきたのです

 

「こんな大きな物をぶつけられたら、どれだけ痛いと思っているの!」

 

「いつもいつも、何で私を攻撃するの?」

 

「どれだけ痛いのか自分で味わってみろ!」

 

「そいつ」はまだ、天井の穴から何時の様に苦しまない私の様子を

 

不思議そうに覗き込んでいました

 

私は、今までの溜まりにたまった怒りの全てを込めて

 

「そいつ」に向かって真っ黒くろすけを蹴り上げたのです

 

「そいつ」は、異変に気付き急いで暗闇の奥へ逃げようと

 

していました

 

私が蹴り上げた真っ黒くろすけは、物凄い勢いで「そいつ」のいた天井の穴

 

の中に入っていき、

 

「ぎゃーっ!」

 

穴の奥から「そいつ」の恐ろしい断末魔の声が聞こえたのです

 

私は真っ黒くろすけが「そいつ」に命中した事を確信し

 

「やったぁ!」 と、飛び上がって喜びました

 

私の中にあった長年の怒りは、その一撃でスッキリ解消され、

 

その後、気持ち良く眠りについたのです

 

それからも何度か「そいつ」はやって来ました

 

でも、もうそれまでの勢いはありません

 

「そいつ」は、私に真っ黒くろすけを投げつけましたが

 

私に当たる事はなく、私の横を通り抜け床に消えて行ったのです

 

そして「そいつ」は、二度と現れなくなりました